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I am the heartgazer. ACの独り言

心理的虐待サバイバーの経験や考察を執筆していきます。

笑顔でいるのがしんどい

笑顔って絶対必要なものなのでしょうか?


「辛いことがあっても笑顔」
この言葉、直向きさをアピールするためによく使われるイメージがありますよね。「辛い」というマイナスとされる感情を「笑顔」で帳消し、もしくはプラスにしている。つまり笑顔というものには強烈なプラスのパワーがあると考えられているということになります。
ここで一つ疑問です。「じゃあそんなプラスのパワーを持つ笑顔を浮かべていることは果たしていいことなのだろうか」。
マンガのキャラにもいますよね、いつも笑顔のキャラ。それは前向きなこと、元気なことの象徴で描かれることもあれば、一方で裏に何かを隠している、腹に一物抱えている象徴にもなっています。
笑顔というのは強烈なプラスのパワーを持つと同時に、その強烈さで裏にあるものを隠すという特性があるのではと思います。取り繕うのにまさに打ってつけの表情なんですね。特に負の感情を隠して、「自分は安全ですよ、危害を与える存在ではありませんよ」というアピールをするためにはもってこいなんです。
これを虐待の文脈に当てはめるとどうなるか。「危害を与える親や保護者を刺激しないように、できるだけ笑顔で過ごす」、「親や保護者のように危害を加えられたくないから、笑顔を浮かべて他の人を刺激しないようにする」のようなことになります。時には笑顔を浮かべていないと「なぜ不満そうなのか」という具合に、プラスの感情を表出していないことに親や保護者が不機嫌になります。何と理不尽な。

このことからわかるように、笑顔というのは単純なプラスの感情を表す記号ではなくて、できるだけ安全に過ごすための処世術でもあるんですね。
そう考えると一概に「笑顔を浮かべることはいいこと」とは言えないのではないでしょうか。笑顔で過ごすことが本来の自分を押し殺している状態、という方々も少なからずいるでしょうし。
なので私は、笑顔が必ずしも必要なものだとは思いません。むしろ、落ち込んでいるときや何かに憤っているときに無理に笑顔を浮かべることは自分への負荷になりかねません。
もちろん、何かしらの事情で笑顔でいなくてはいけないときもあるかもしれません。けれど場が許す限りは自分の感情を抑えることはないと思います。

笑顔でいるのが「しんどい」ときは、一言二言でも自分の感情を表に出すほうがいいというサインなので、適度に息抜きをしながら日々を過ごしていきましょうね(もちろん私も!)。

語り手:omelet(@milk832omelette)
【精神的虐待サバイバーのための自助グループ:ハートゲイザー(@heartgazer_svvr)】


母がしんどい

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