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I am the heartgazer. ACの独り言

心理的虐待サバイバーの経験や考察を執筆していきます。

毒親と「自己肯定感」

こんにちは、omeletです。

今回は毒親と「自己肯定感」の関係について書いていきたいと思います。

 

はじめに、毒親のタイプについて考えていきたいと思います。必要なものを与えない親、暴力を振るう親、交友関係を制限する親…毒親にも色々なタイプがいると思いますが、「子どもを自分の思うようにコントロールしようとする」毒親というのが存在します。

毒親について書かれている本の中でも有名な「毒になる親:一生苦しむ子供(スーザン・フォワード, 玉置悟訳, 2001)」の中でも取り上げられています。この本の67から68頁にかけて、コントロールしようとする親は自分自身に強い不安や恐怖感があり、そのような親にコントロールされている子供もまた不安感や恐怖心の強い人間になってしまうことも多いという内容が記されています。つまり、「親の自己肯定感のなさが子どもの自己肯定感の低さにつながる」ということです。

今振り返ってみると、私が何かするたび母親は「あんたが何かしたら私のせいだってことにされるからしっかりしなさい」と言っていた記憶があります。彼女の中では「子どもの評価=自分の評価」であり、周囲からどう思われるかというのが重要だったのではないかということが窺えます。もし自己肯定感があったなら、周囲の評価に自分の価値が左右されることがなく、私に対してもあのような発言はしなかったのではないか、とこの本を読んだときに考えました。

そのような自己肯定感の低い親に育てられた私は、まさに「不安感や恐怖心の強い人間」、自己肯定感のない人間に育ちました。何かしたら親に見捨てられるんじゃないか、周りからどう思われるか…この考え方が常に頭の底にある状態で生きていました。それは親からの虐待に気付き、距離を置いた今でも脳裏に焼き付いています。

 

親が自己肯定感を持っていないことで子の自己肯定感も失われる…この「自己肯定感の欠落」は、親から子に背負わされた負の遺産ということができるでしょう。そして私たちもまた、気を付けなければ次の世代にこの欠落を背負わせてしまうということにも留意しなければなりません。

それを防ぐためにも、「自分自身の自己肯定感」を底上げする必要があります。具体的には、些細なことでも自分を褒める・認める、毒親など自分の自己肯定感を減らす相手とは出来るだけ距離を置く、といったようなことです。

また、自分を蔑ろにしない、自分に対してお金を使うというのも大事なことなのではないかと思います。例えば、「今日は頑張ったから」と自分へのご褒美を買ったり、いつもは我慢して買わない洋服を買ったり…そういった目に見える形での「自分のために対価を支払う」経験は、自分の価値を認めるうえで大切な役割を果たすと考えます。

 

親から背負わされた「自己肯定感のなさ」は一朝一夕では解決しないかもしれません。

ですが、少しでも「自分は頑張ったな」と思えることがあったらぜひ自分を褒めてください。そして余裕があったら、普段頑張っているなと思っている人に「頑張ってるね」と声をかけてみてください。それが繋がり合って、たくさんの人の自己肯定感を底上げすることにつながるのではないかと思います。

 

 

 

<筆>

omelet(@milk832omelette):毒親持ちのAC(ヒーロー・ケアテイカー・ロストワン)でセクシャルマイノリティの23歳の研究家志望。大学で社会学を学び、勢いのままAC自助グループ「ハートゲイザー」を結成。毒親やACについて社会学的に分析できないか、日々模索中。

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毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

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